ヨーロッパにおける獣医師の生涯教育制度

摘要

家畜伝染病予防法が改正され、獣医師は適切な獣医療を提供するため、免許修得後も新たな疾病に対する知識、新たな診療技術、技能等を継続して修得することが必要となった。 しかしながら、わが国においては、これらに対応する研修実施体制（生涯教育体制）が構築されていないため、研修指針や実施要領を早急に策定しなければならない。 このような背景の下、中央畜産会から依頼を受け、ヨーロッパ（スウェーデン、オランダ、ドイツ、イギリス）における獣医師の生涯教育の実施状況を調査した。そこで、その調査結果とともに獣医師の活動状況、獣医学教育についても略述した。 なお、本文中では「生涯教育制度」を研修獣医制度（卒後研修：いわゆるインターン）、専門医養成制度（いわゆるレジデント）ならびに継続教育制度の三つを包括したものとして扱った。