畜産環境行政をめぐる最近の動向:臭気対策を中心に

摘要

畜産環境対策については、平成16年の「家 畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に 関する法律」（以下「家畜排せつ物法」）の本 格施行から10年以上を経て、家畜排せつ物の 適正な管理、処理やその利用など、現場にお ける取り組みは、一定の水準において概ね安 定的に行われるようになつている。一方で、 家畜排せつ物の利用をさらに拡大していく必 要があるほか、当時整備した施設の老朽化や、 飼養規模拡大に伴う家畜排せつ物発生量の増 加への対応、国民の環境意識の高まりへの対 応等が必要になっている。また、家畜排せつ 物法の施行から時間が経過し、畜産環境対策 の取り組みが当然のこととなった一方で、取 り組みに慣れが生じ、ともすれば緩みが生じ てきているのではないかとも考えられる例も 見受けられる。これが今日においても引き続 き各地で発生する大小の環境問題の一因と なっていると考えられる。