畜産施設における水洗と消毒（4）-消毒に関する基本的事項（2）－

摘要

消毒剤が持っている微生物を死滅させる効力は濃度，使用量はもとより多くの要因により影響を受け，消毒剤が本来持っている効力を十分に発揮することもあれば，阻害されて効力が発揮できないこともある。 今月号には消毒剤の効力発揮に影響する主要な要因を列挙し，その影響を記述する。 消毒剤の作用は方向性がない。 有害と無害，病原微生物と非病原微生物なとの選択はなく，総ての微生物に作用する。 しかし，ある消毒剤は特定の微生物に対して才肖毒効力が高い，あるいは効かないなどの差異がある。 これらの性質は消毒剤の化学的性質により定まるもので，消毒剤の特徴としてパンフレットや使用説明書にグラム陽性細菌に対する効力が強い，コクシジュウムのオーシストを殺す，芽胞にも有効などと記載され消毒剤の抗菌スペクトルとしてまとめられている。