育成牛の飼料効率改善のための制限給餌法

摘要

将来，生産性の高い泌乳牛となるためには，育成牛の問に行われなければならないことが幾つかあるが，重要なのは，それを行うことによって，泌乳牛になった時に生産性にマイナスの影響を与えてはならないということである。育成コストは，酪農家にとって2番目あるいは3番目に大きい生産コストとなっていることから，米国での現在の乳価を考えると，是非とも削減を検討する必要がある。図1は，米国における乳用牛の育成期間中にかかる費用を，項目別に集計したデータである。これによると，最も高いのは飼料代であり育成コストを削減するためには，飼料代の削減が不可欠となっている。ただ，飼料代を削減するあまり，将来の泌乳成績に悪影響を及ぼすなら，むしろ逆効果といえる。ここ2～3年，泌乳牛については，いかに飼料効率を高めるかというテーマについて，盛hに研究されてきたが，育成牛についてはあまり行われていない。本稿では，育成牛の成長に何らマイナスの影響を及ぼさずに飼料効率を高める方法について言及したい。