中野芳輔の畑かhセミナ一No.10,作物圃場の蒸発散量の求め方(その1) (蒸発計法)

摘要

畑地灌漑計両を策定する場合に蒸発散量をどのようにして推定するか技術者にとって頭 が痛い問題です。蒸発散量にかかわる要因には、気象要因として日射量、気温、湿度、風速が関係し、作物耍因として葉面積、葉の形状、作物高さが関係し、土壌要因として土壌水分状態、土壌面湿潤状態が関係しています。したがって実蒸発散量をシミユレーションによって推定する場合はこれらの多数の要因を考慮する必要があり非常に複雑なモデルとなります。しかし畑地灌漑計画では「収量、品質に影響しないだけの水を補給する」ことを 基本と七ていますので、まず基準蒸発散位(Reference crop evapotranspiration) を求め、これに作物要因を加味する方法が一般的に採 用されています。FAOでは基準蒸発散位は草丈10cm前の芝生状の、ストレスのない緑 地の蒸発散量と定義しています。日本の設計基準では基準蒸発散位の代わりに基準蒸発位(水面蒸発量)を用いるため後で述べる作物係 数が若干異なりますが、基本的な考えは同じ