イソキサゾリン系除草剤の作用機構研究

摘要

ピロキサスルホン（3－［5－（difluoromethoxy）－1－methYl－3－（trifluoromethyl）pyrazol－4－ylmethylsulfonyl］－4，5－dihydro-5，5-dimethyl－1，2－oxazole）はクミアイ化学工業，ケイ·アイ研究所およびイハラケミカル工業が共同で開発したイソキサゾリン環を有する新規除草剤である（Fig．1） ．本別はコムギ，トウモロコシ，ダイズなど多くの作物に選択性を有する畑作用除草剤であ，イネ科雑草と広葉雑草に高い除草効果を示すだけでなく，アメリカのグリホサート抵抗性雑草やオーストラリアの多剤抵抗性リジッドライダラスに対しても優れた生育阻害活性を示す．一方，フエノキサスルホン（3－［（2，5－dichloro－4－ethoxyphenyl）methylsulfonyl］－4，5－dihydo-5，5－dimethyl－isoxazole）は現在開発中のイソキサゾリン環を有する新規水稲用除草剤であり，ヒエ類だけでなく，コナギやアゼナ類などの1年生広葉雑草に対しても高い除草効果を示す．これらの薬剤の作用機構を解析した結果，両薬剤は超長鎖脂肪酸伸長酵素をターゲットどする薬剤であることが明らかになると同時に，酵素阻害機構等に関する新しい知見が得られた．