ファージ表面提示法を駆使した 機能性人工タンパク質の創製

摘要

近年の疾患プロテオミクス研究の 進展に伴い、自己免疫疾患などの疾 患の発症や悪化?治癒に関与する疾 患関連タンパク質が数多く同定され つつあり、その機能制御、特にタン パク質間相互作用を標的としたド ラッグデザィンに期待が寄せられて いる。中でも、生体の恒常性維持に 重要な役割を担うサイトカインは、 極めて有望な創薬ターゲットといえ る。しかし、サイトカインは一般 に、複数のレセプターを介して多種 多様な生理作用を発揮することが知 られている。従って、この中から目 的とする治療作用のみを抽出し得る 創薬を実現するためには、疾患や治 療目的に応じて、標的レセプターに 対して選択的に結合するァゴニスト やアンタゴニストを迅速に創出できるDDS技術の開発が必要不可欠と なってくる。