近年の超高分解能FE-SEMを用いた触媒観察

摘要

分野を問わず科学の世界では"小さなものを見る"ということに対して多大なる関心と願望があり，見ることに対する挑戦は常に止まない。これは人間が視覚を主な受容器官として行動しているからである。人間の脳の大部分は視覚に深くかかわっており，見るという行為は無意識のうちに頭脳を存分に活用していることになる。 研究を行う上でも見ることによって得られる情報は多く，シンプルかつ重要な分析手段となる。より小さな構成ユニットを見ることの助けとなるツールは顕微鏡に他ならない。 なかでも電子顕微鏡は高い空間分解をもつ観察用ツールとして欠かすことのできない汎用分析手法である。電子顕微鏡は透過型(TEM)と走査型(SEM)に分かれるが，ここで筆者らが取り上げて紹介したいのはSEM，その重要性と近年の機種でどこまで見ることができるかについて解説する。