吐血

摘要

吐血の定義は「食道?胃?十二指腸などの上部 消化管から出血した血液を口から吐くこと」である が,患者は「口から血液を吐いた=吐血」と訴え ることが多く, 消化管出血以外の病態を鑑別する 必要がある.上部消化管出血の吐物は胃酸と反応 して暗赤色やコーヒー残渣様のことが多いが，多 量の活動性出血の際は鮮赤色を呈することもあり， 吐物の性状のみで吐血か否かの判断が困難な場 合もある.詳細な問診と身体診察が重要なのはもちろhであるが，判断に迷う際にX線やCTなどの 画像診断が有用になることが多い.また，吐血患 者には上部消化管内視鏡が原則的に全例適応と なるが疾患によっては上部消化管内視鏡検査よ り優先してCTを施行すべき場合もある.本稿では「吐血」を主訴に来院した患者に対する画像診断 の適応と有用性について解説していく.