救命外来における神経救急

摘要

救急医が初療室で対応する可能性の高い神経 救急疾患については，表1に示すような多様な疾患が挙げられる.治療方針の原則として，治 療(蘇生，救命または安定化）を施しつつ鑑別診 断していく手順が必要である.緊急度順に，①全身管理，すなわち呼吸-循 環管理の安定ィ匕と，それによる重要臓器の保護， ②原因となりうる疾患の鑑別，③頭蓋内環境の 安定化，すなわち頭蓋内圧の管理と脳血流の維 持，④全身状態に目処の立った時点で確定診断のための専門医へのコンサルト，の4段階に分 け，これらを限られた医療資源を取捨選択しな がら短時間に(場合によっては並行して)安全に クリアすることで，一次性，二次性の中枢神経 障害に対応していく.