マウスES細胞培養におけるESF7培地の有用性

摘要

マウスES細胞培養に対する新たな無血清培基液ESF7培地が開発された。 血清の漆加やフィーダー細胞を必要とせずに，効率的な細胞増殖が可能であることから，マウスES細胞を用いた基礎研究の有効なツールとなることが期待される。 胚性幹細胞（ES細胞）は，様々な組織や器官に分化する能力を持った未分化な細胞である。 マウスES細胞培養では，必須因子を供給する細胞（フィーダー）とウシ血清の添加が，その未分化状態を維持するために不可欠であった。 このような培養技術の煩雑さや血清に由来する未知因子の存在が大きな障害となり，ES細胞を用いた研究の進展を妨げてきた。