経口糖尿病治療薬のUp to Date

摘要

現在，わが国ではさまざまな種類の経口糖尿病治療薬 が使用可能であり，作用別にィンスリン抵抗性改善系 薬剤，インスリン分泌促進系薬剤，糖吸収，排泄調節 系薬剤に分けられる。患者の病態や社会的状況を総合 的に判断した上で治療目標を設定し，薬剤を作用機序 や特徴を考慮して選択し，単独療法から開始し必要に応じて併用療法を行う。2型糖尿病の薬物治療は，2009 年にわが国でDPP-4阻害薬が登場して以来大きく変貌を 遂げ，現在では経口糖尿病治療薬の中でもっとも多く 使用されている。本稿では経口糖尿病治療薬に関する 最近の話題を，特にDPP-4阻害薬の登場が糖尿病治療に どのような変化をもたらしたかについて取り上げる。 さらに，2014年にも登場するこれまでの糖尿病治療薬 とはまったく作用機序の異なる薬剤であるSGLT-2阻害 薬について，開発の経緯と特徴や臨床治験の成總，糖 尿病治療における位置づけについて概説する。