メピウス症候群における笑いの再建 ?両側同時島状側頭筋移行術を中心に

摘要

メビウス症候群は、顔面神経麻痺と外転神経麻痺を主症状とするきわめて稀な先天性疾患であり、1888年および1892 年にM6biusが先天性両側顔面神経麻痺及び外転神経麻痺を 有する以前の報告例に自験例を加えてまとめて報告した[1， 2]。全例で精神遅滞を合併するわけではなく、生命予後も短 くないことから、斜視だけでなく顔面神経麻痺に対する治療 も必要となる[3]。しかし、本邦では欧米に比し、メビウス 症候群に伴う顔面神経麻痺の治療報告例は少ない。