先天性顔面麻痺の2症例

摘要

先天性顔面麻瘅は稀な疾患であるが、その中では耳介低形 成や外耳道閉鎖などの奇形に合併するものや先天性下口唇麻 痺が比較的多い。現在、われわれは麻痺が下口唇に限局せず外表奇形も存在しない先天性顔面麻痺の2症例を乳児期より 継続して経過観察中である。乳児期には麻痺評価そのものが 難しかったが'、成長とともに従命も可能となり、原因検索や 種々の治療も検討される段階となってきた。本稿ではこれら 2症例を呈示し、先天性顔面麻痺の治療を中心に考察する。