外傷性顔面神経麻痺の安静時筋電図を用いた予後予測と治療方針

摘要

外傷性顔面神経麻瘅の原因としては、侧頭骨骨折や顔面外 傷などの他、狭義には脳神経外科や耳鼻科的疾患術後のもの も含まれる。外科的手術後の場合、術中に形態学的には神経 が温存されていても外力や熱などにより麻痺をきたす場合が ある。また外傷の場合も断裂部を肉眼的に確認しづらいこと もあり、麻痺が回復してくるのか否か、手術に踏みきるのか 経過をみるのかの判断に迷わされることが多い。手術時期が 遅れると、たとえ表情筋の機能回復が得られたとしても筋委縮を来して十分な効果が得られず、その後の患者のQOLに大 きく影響するため、発症早期に予後を予測することが非常に重要である。