中?後頭蓋底近傍の腫瘍摘出を容易にする手術手技

摘要

副咽頭間隙を冠状断MRIにおける両側翼状突起下端を結 ぶ仮想の線で上下に分けたときに、頭側の副咽頭間隙を高位 と名付け、この間隙に主座を置く腫瘍、外側翼突筋背面から 外頭蓋底に接する腫瘍、あるいは副咽頭間隙から頭蓋底骨を 越えて頭蓋内にも存在する腫瘍を高位副咽頭間隙腫瘍と呼ぶ ことにする（図1)。間隙前区を占拠する腫瘍には耳下腺深葉 腫瘍や三叉神経腫瘍があり、後区の腫瘍としては下位脳神経 由来の腫瘍や傍神経節腫瘍などの神経原性腫瘍が主である。