小脳橋角部腫瘍における顔面神経の取り扱い

摘要

小脳橋角部は、小脳の錐体骨面と橋、中小脳脚によって形成されるcerebellopontine fissureに囲まれた領域であり[1]、 この部位に発生する腫瘍が小脳橋角部腫瘍である。代表的な 小脳橋角部腫瘍は、前庭神経鞘腫80-90% [2]、髄膜腫6 -15% [3]、類表皮腫4. 6-6. 3% [4,5]であり、多くが良性腫瘍で あることから、治療の最大の目的は、腫瘍の局所制御と神経 機能温存である。特に、顔面神経の機能障害は、患者の社会 的不利益と精神的苦痛をもたらすため、小脳橋角部腫瘍の摘 出においては、顔面神経の機能温存は極めて重要である。