側頭骨良性腫瘍における顔面神経の取り扱い

摘要

顔面神経は、内耳道部?迷路部?膝部?鼓室部?乳突部と 側頭骨内を走行し、茎乳突孔から側頭骨外に出て耳下腺内を 通る。側頭骨に発生する良性腫瘍と顔面神経の関係では、顔 面神経由来の腫瘍と同時に、中耳?外耳道深部から発生する 腫瘍が問題となる。代表的な疾患としては、側頭骨内顔面神 経鞘腫、グロ一ムス腫瘍、中耳カルチノイドなどの腺腫、骨腫、真性腫瘍ではないが錐体部真珠腫力挙げられる。治療法としては主に手術治療となるが、良性腫瘍であることから術 後顔面神経機能温存に繋がる方法を選択する必要がある。側 頭骨領域に発生する良性腫瘍は発生頻度が少ないため、今回 は顔面神経鞘腫、錐体部真珠腫、グロ一ムス腫瘍に対する側 頭骨外側アプローチに伴う顔面神経の取り扱いについて、標 準的と考えられる方法を述べる。