顔面神経麻痺の後遺症評価へのコンピュータの利用

摘要

顔面神経麻痺の評価には40点評価法［1］やHouse-Brackmann法［2］といった視診による評価法が最も広く用いられている。これらに加えて、最近はSunnybrook法［3］も注目を集めてきている。 視診による評価法の特長は簡便さにある。 機器（または器具）を使わず短時間で評価が行える。しかし視診による評価法には、（1）検者によって評価結果にばらつきが生じる、（2）同一の検者が同じ顔面運動を評価しても評価結果が異なる可能性がある、といった問題点がある。 つまり「検著聞」および「検者内」のばらつきである。顔面神経麻痺の評価にコンピュータを導入しようとする試みの背景には、視診による評価法では完全に回避することが不可能な客観性·再現性の面での問題点を克服しようという意図がある。また、評価結果を数値だけでなくグラフィカルにも表現しようという狙いもあった。