大腸型Crohn病の初期病変一右側結腸優位の亜びまh性腸炎の3例頼岡誠,八尾恒良,岩下明徳,武田輝之,古賀章浩

摘要

初診時の下部内視鏡検査で右側結腸優位の亜びまh性大腸炎を認め，生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽 腫を検出した大腸型Crohn's disease (CD)の3例を報告した.3症例の病変は，定型的CDの病変を 欠き，縦列する発赤と，血管透見像が消失した粗糙粘膜像で形成されていた.これらの所見は肛門側ほ ど軽微であった.上部消化管，小亂肛門に病変はなかった.1例は13力月後，定型的大腸型CDに進 展した.文献的考察を加え，ァフタとは異なった，右側優位で縦方向に配列する発赤や血管透見像の消 失領域からなる大腸炎をCDの初期病変として認識する必要があることを述べた.