米国の国際石油化学会議2018、需給見通しに強気予想も目立つ-稼働に一部遅れも需給は軟調／ブタジエン増産に期待の声も-

摘要

AFPM（米国燃料·石油化学製造者協会）の第42回国際会議がテキサス州サン·アントニオで3月末に開催された（参加者は約3，000人）。パネルディスカッションでは、「オーバーサプライに関心が高まっているが、現在は需要へ対応するだけで精一杯。世界的に余剰はなく、今後想定される成長率を前提とすると、投資がなければ原料は不足し、経済も行き詰まるだろう」という強気な意見が聞かれたようだ。その一方で「短期間に投資が集中 する中、高い技術を持った労働力の確保は大きな課題」「米国は輸出国として、保護貿易主義や高い関税、中国との貿易戦争といった貿易の崩壊がリスク。各メーカーは地政学的リスクを考えながら判断する必要がある」といった課題認識も共有された。しかし「炭化水素の優位性と世界の需要成長は、政治的リスクを上回るだろう」という楽観的な意見もあったようだ。