カネボウ、前途多難の再建計画（下）～財務上の潜在リスクは消えず-退職給付会計と税効果会計／なおも会計ビッグバンに翻弄－

摘要

花王効果で脆弱な財務体質を大きく改善できたとしても、カネボウの財務には潜在的な　リスクがまだ残っている。そのひとつが年金にからむオフバランス（簿外）の債務だ。前3月期以降、旭化成が一括償却に踏み切っている未償却年金債務のことである。カネボウが抱える退職給付債務は今年3月未時点で1，915億円。これに対して積み立てている年金資産は755億円で、差し引き1．160億円の不足。