変わる国内石化～近年の能力変化と新たな10年に向けた戦略①－輪出·内需減退見越して強みを生かせる分野へ集中－

摘要

国内石油化学産業における再編の動きがスピードを増している。この2年間に、国内15基のエチレン設備のうち3基の停止計画が決まり、最近では旭化成がSM（スチレンモノマー）やAN（アクリロニトリル）をはじめとする大規模な再編計画を明らかにした。このほかにも川下誘導品の停止が相次いでおり、コンビナートのバランスは急速に変化している。しかし実際は、輸出競争力の劣化と新興国の成長に伴う輸入品の増加、国内製造業の海外進出加速に伴う内需減少、国内人口減少という社会構造変化は「10年前からもう予想していたこと」（石油化学工業協会会長の三菱ケミカルHD·小林喜光社長）であり、競争力の見込めないプラントの停止と、強みとする事業への選択·集中は、各社が数年前から徐々に進めていた。企業毎·製品毎に各様の理由があるが、近年10年余りで石化製品の生産能力はどう変化したのか。複数回にわたり製品毎に順次連載する。