( S065) 微小重力環境下での鉄·スラグ界面張力の測定

摘要

我々は，国際宇宙ステーション（International Space Station, ISS）の日本実験モジュールKIBO に設置された静電浮遊炉（Electrostatic Levitation Furnace, ELF）において，鉄と酸化物融体の界面張力測定の研究プロジェクトを計画し，実験に向けた準備をおこなっている[1]．鉄と酸化物融体界面張力は，鉄鋼プロセスにおけるスラグ·溶鋼界面制御において重要な値であり，これまでに様々な努力がなされてきた[2]．しかし，スラグ·溶鋼などの酸化物·金属融体界面の直接観察は困難であり，酸化物·金属融体界面での様々な現象の理解は進hでいない．本研究プロジェクトでは，酸化物融体に内包された金属融体試料を用いて，液滴表面振動解析から精密な界面張力の取得とその温度依存性の計測を目指している．本講演では，ISS でのスラグ·溶鋼の界面張力測定に向けた準備実験としておこなった，航空機の弾道飛行による短時間微小重力実験の結果を報告し，ISS での実験計画の詳細について検討する．