(S043_1)Fe-Si-Al 合金の引張試験による応力－ひずみ関係と破壊形態におよぼすAl 含有量の影響

摘要

Fe-Si 合金は電磁鋼板として利用されている。Fe-Si 合金はSi の添加量の増加に従って靭性が急激に低 下することから圧延時の脆性破壊が問題となっており、脆化の抑制が必要である。著者らは、Fe-Si 合 金に、ひずみ速度を系統的に変化させた引張試験により、破壊形態が遷移するひずみ速度の存在を明ら かにし、靭性を簡便に評価できる手法を確立した。また、Fe-5mass%Si 合金に圧延を利用した格子欠 陥の導入により、高靭化を達成した。ところで、実用電磁鋼板は、第3 元素として、Al がしばしば添 加される。著者らにより、Fe-高Si 合金へのAl 微量添加による、変形双晶の発生抑制と、延性の改善が 報告されているが、Fe-Si-Al 合金の変形および破壊挙動に関する系統的調査例は少ない。そこで本研 究では、種々の組成を有するFe-Si-Al 合金を対象に、各種ひずみ速度での引張試験を実施することによ り、応力－ひずみ曲線と破壊形態に及ぼすAl 含有量の影響を明らかにすることを目的とした。