透明体の熱物性値測定のための方形波パルス加熱法の改良とCaO-SiO_2-Al_2O_3系フラックスの熱物性値

摘要

モールドフラックスは鋳型/鋳片問の潤滑と、鋳片から鋳型への熱伝達制御に用いられており、その性状により得られる鋳片の品質に大きな差を生じることが知られている.ところが、その主成分であるCaO-SiO_2-Al_2O_3系フラックスの熱物性値は正確な値が整備されているとは言い難い（Fig.1）。 一方、ハロゲン光を加熱源とする方形波パルス加熱法は、本来小さな熱物性値を有する物質の測定に適した測定法であるが、スラグなどの透明体に適用した場合、試料内部の柘射の影響が大きく、熱物性値を精度良く測定することは困難であるとされてきた。 そこで本研究では、方形波パルス加熱法に改良を加え、透明体への適用性に関する検討を行った。 透明SiO_2試料による測定精度の検証を行った上で、CaO-SiO_2-Al_2O_3系フラックスの熱物性値を測定した。 また熱伝導率に関して、須佐らの熱線法による測定結果と比較検討したので報告する。