定電流電解法による鋼中Ca-rich系酸化物の抽出分離定量法の開発

摘要

鋼中酸化物系介在物の抽出分離定量には、一般的に10％AA系電解液を用いた定電位電解法、ハロゲンーメタノール分解法、酸溶解法等~1）が用いられている。 しかし、これらの方法ではパウダーやスラグの巻き込み起因で外来的に鋼申に存在するCa-rich系酸化物を定量的に評価することが難しい。 Ca-rich系酸化物の鋼中での存在量は非常に少なく、また化学的に不安定なため、通常用いられる抽出分離手法では溶解してしまうためである。 そこで、筆者らは、少量の溶液で多量の鋼を溶解でき、さらにCa-rich系酸化物を定量的に抽出できる電解液を開発したので報告する。