780MPa 級熱延鋼板の機械的特性におよぼす後熱処理の影響

摘要

近年の自動車重量軽減による燃費向上の観点などから、高強度鋼板の使用が増加している。しかし、鋼板の強 度が上昇するに伴い、スプリングバック量やプレス荷重の増大が問題となる。これらの問題を解決する加工方法の 一つに温間成形がある。この技術では.鋼板は温間域(Ac1 以下)に加熱された後に成形される。一方、近年開発さ れたナノメーターサイズの析出物で析出強化された高強度フェライト単相鋼板は温間域でも析出物が安定なため(1)、 成形後も鋼板の強度が維持されることが期待される。そこで、巻取処理相当温度を変化させた鋼板の熱処理後の 機械的特性および析出物の析出挙動について調査した。