FI システムによる鉄鋼化学分析の簡便?迅速化及び高感度化への取組み

摘要

鉄鋼化学分析では吸光光度法、原子吸光法、誘導結合プラズマ発光分光分析法などが用いられるが、共存す る鉄マトリックスの化学的、分光学的な干渉が分析に影響する場合が多く、鉄マトリックスや共存成分からの 目的成分の分離?濃縮が必要な場合が多い。これまでこのような試料前処理を含めた化学分析では人手による バッチ操作がほとhどで、操作が煩雑で時間がかかるうえ、再現性よく、しかも正確な結果をうるには当然な がら相当の知識と熟練技術も必要である。著者らは化学分析の自動化や溶液系での連続計測に適したフローイ ンジェクション（FI）システムに着目し、流れ系への適応性が良く、しかも検出反応との相性の良い分離?濃 縮法や各成分の高感度検出法を種々考案し、これら分離と検出をシステム内でインライン直結したFI システム による迅速、簡便で熟練の不要な鉄鋼化学分析法の開発を検討してきた1-3）。本討論会では、これまでの研究結 果の一部（Ｂ3）、Ｐ4)の定量）を紹介するとともにFI システムによる鉄鋼化学分析法の特徴、問題点、将来の展 望などについて、とくに簡便?迅速化、高精度化、高感度化などの観点から報告する。2