高Cr フェライト系耐熱鋼のクリープ強度に及ぼすCr の影響

摘要

火力発電プラントの発電効率向上を目的として蒸気温度の上昇が進められている。それとともに種々の 高Cr フェライト系耐熱鋼が開発されているが、600～650°C近傍での長時間クリープ強度が低下する場合が ある。その原因として、Z 相析出に伴うMX の消失が局部回復を促進することや1）、固溶元素の枯渇2）など が挙げられている。Cr 含有量の違いによっても長時間クリープ強度が大幅に変化するが、これには複数の 機構が関与していると考えられる。そこでCr 量を系統的に変化させ、時効による組織変化やクリープ強度 に及ぼすCr 量の影響について、炭窒化物（MX、M2X）等の析出物に注目して検討した。