（Mg，Fe）O飽和CaO－MgO－Fe_tO－P_2O_5－SiO_2系2液相分離スラグの相平衡

摘要

前報では、（Mg，Fe）O　 飽和CaO-MgO-Fe_tO-P_2O_5系において、製鋼温度付近でFe_tOに組成が近い液相（L_1）とCaOに富む液相（L_2）が共存する2液相領域が、状態図上に広く存在することを明らかにした。この2液相スラグを出鋼脱りhスラグとして用いれば、CaO飽和CaO-Fe_tO-P_2O_5系スラグに比べ、より高効率な脱りhが可能であり、また、L_2はりh資源として回収できる可能性があることを示唆した。但し、現実的には転炉スラグが取鍋に混入ずる恐れもあることから、純粋なCaO-MgO-Fe_tO-P_2O_5系スラグで精錬できるとは限らない。 中でも、SiO_2は、CaO-Fe_tO-P_2O_5の2液相領域を急激に縮小させることが報告されている。そこで本研究では、MgO相場を用いてメタルースラグの平衡実験を行い、1873監における（Mg，Fe）O飽和CaO-MgO-Fe_tO-P_2O_5-SiO_2系スラグの相平衡及び溶鉄との間のりhの分配を測定した。