極低炭素Ti添加鋼中の析出物形態別定量分析における残渣中炭素の定量

摘要

鋼材中の析出物を形態別に定量的に把握し、それを基に析出状態を制御することは、鋼材の性質を遣り込む上で重要な要素となる。 極低炭素Ti添加鋼中の析出物の形態別定量分析方法として、電解抽出で得られる残渣を、段階的に湿式分析的手法で形態別に分離し、硫化物·窒化物·炭化物等を順次定量する方法がある。 この手法における炭化物量は、炭素と化合物を形成している金属元素を定量することで、間接的に決定されるものであり、直接的な炭素の定量は行われていない。 これは通常、残渣捕集用のろ適材に有機質のメンブランフィルターが用いられており、燃焼-赤外線吸収法による定量において、ろ過材よりCO_2が発生するためである。 そこで無機質のろ過材を用いて抽出残液中の炭素の直接定量を検討した。