ほうろう用鋼板の前処理時に鋼板表面に付着する酸洗残渣の同定、及び、ほうろう層と鋼板の密着性メカニズム

摘要

ほうろう用鋼板は、ほうろうメ一カ一にて、ブレス加工等の成形が行われた後、殖酸酸洗、Niフラツシユ等の前処理を実施し、釉薬（主成分：ガラス＋顔料等）を塗布し、乾繰後に焼成きれ、ほうろう製品へ加工される。 ほうろう製品は、つまとび欠陥が無く、見た目の美しさを要求されると共に、ほうろう層と鋼板の密着性が要求される。 特に、ほうるう製品の大型化にともなつて欠陥発生頻度に対する管理が巌しくなり欠陥の程度によっては再施釉-再焼成処理が必要なケ一スがある。 しかじ、焼成回数を増すことによつてほうろう密着性が劣化する傾向があ、その傾向はTi-IF系ほぅろう用鋼板において顕著となる.よつて、本報告では、ほうろう密着性劣化の原因を明らかにすため、前処理後の酸洗残渣に着目した調査結果を報告ずる。従来酸洗残遼を直接観察した例が無〈XRDや,前処理ままをSEM観察した例は報告例があるものの酸洗残渣の同定結果については諸説あっで、正確な情報が得られていなかつた。酸洗残渣の直接観察技術を紹介すると共に.そのデ一タをもとに、ほうろう層と鋼板の密着性メカニズムを推定する。