(S032_2)Dual Phase 冷延鋼板の相変態挙動の解析

摘要

フェライトおよびマルテンサイトを主な組織とするDual Phase(DP)鋼は、自動車用をはじめ高強度鋼板として広く使われている。冷延DP 鋼の機械的特性は、冷延後の２相領域保持時間や冷却条件で変化するマルテンサイトの相分率および元素分配によって左右されるため，これらを把握することは重要である1),2)。一方，近年のFE-EPMA の開発により結晶粒径が5μｍ程度のα·γ相の元素分配が測定可能になり，本報告では、冷延DP 鋼の各熱処理過程における元素分配測定へ適用した。さらに，局所平衡を前提とする拡散シミュレーションによるγ→α変態とα→γ変態の計算結果と比較することで，冷延DP 鋼の相変態挙動を解析した。