II.狭義の自己炎症性疾患：蕁麻疹様皮疹を伴う自己炎症性疾患：ホスホリパーゼCy2関連抗体欠損.免疫異常症(PLAID)，Schnitzler症候群など

摘要

蕁麻疹は日常診療で頻繁に遭遇する，ごくありふれた疾患であるが，日本皮膚科学会からの「蕁麻疹診療ガイドライン」にもあるように，その原因は多岐にわたり，時に遺伝性疾患の部分症状として認められることがある.これら遺伝性疾患はいずれも希少疾患に属するものではあるが，有効な特異的治療が存在する場合もあり，それら疾患の存在を知り，適切な診断につなげることは患者QOL向上に資するものと考えられる.本稿では，蕁麻疹様皮疹を伴う自己炎症性疾患を取り上げ，その臨床像?病因?病態?診断?治療について概説する.1.蕁麻疹様皮疹を伴う自己炎症性疾患蕁麻疹様皮疹を伴う自己炎症性疾患と皮疹の特徴を表12)に示す.別途，本特集内で取り上げられている疾患に関しては，それぞれの稿を参照いただきたい.本稿では，ホスホリパーゼCY2関連抗体欠損?免疫異常症（PLAID)とSchnitzler症候群について記載する.