原発性高シユウ酸尿症III型

摘要

原発性高シユウ酸尿症(PH)は，グリオキシ ル酸代謝にかかわる酵素の欠損や機能不全によ り生じた高シユウ酸尿のため，シユウ酸カルシ ゥム結晶の腎尿細管の沈着に始まり，腎結石， 腎石灰化症，腎不全ひいては全身性ォキザロー シスに至る常染色体劣性遺伝病である1).I型 (PH1)とII型(PH2)，更にどちらにも分類され ない家系があることが知られていた2).これら の家系に対してシユウ酸代謝関連酵素であるグ リコール酸酸化酵素3)や腸管からのシユウ酸吸 収にかかわる酵素であるSLC26A64)(SLC26A6 のノックアウトマウスでは，高シユウ酸尿とな り尿路結石をたくさh産生する5))について遺伝 子検索が行われたが，いずれも責任遺伝子ではなかった.