IX ：造血器腫瘍と類縁疾患白血病慢性リンパ性白血病群前リンパ球性白血病T細胞前リンパ球性白血病

摘要

T細胞前リンパ球性白血病(T cell-prolymphocytic leukemia)は，形態学的にはB細胞前 リンパ球と区別がつきにくいリンパ球が末梢血 中に多数出現し，急激な経過をとる疾患である. T細胞前リンパ球は，胞体が少なく核の輪郭は 不整で，明瞭な核小体を有する特徴をもつ.脾 腫，リンパ節腫脹があり，紅斑様皮膚浸潤が特 徴である.前リンパ球は，CD3+, CD4+， CD7+， CDS".まれにCD4-, CD8+の表面形質をもつ. 平均生存期間は7.5力月程度で予後は悪い.最 近，CD52に対するモノクローナル抗体alemtuzumab (Campath-IH)が90 %以上の症例に 反応し生存期間を延長することで注目されてい る.