血栓溶解療法

摘要

2005年10月，我が国でも米国に9年遅れて 発症3時間以内の超急性期脳梗塞例に対し， 遺伝子組換え組織プラスミノゲンァクチベータ (recombinant tissue-plasminogen activator: rt-PA)であるアルテプラーゼを用いた経静脈的血 栓溶解療法が承認された.その後，欧州では 2008年にEuropean Cooperative Acute Stroke Study III(ECASS III)の結果を受け，rt-PA静 注療法の適応は発症3時間以内から4.5時間以 内にまで拡大した.2012年8月に我が国におけ るrt-PA静注療法治療指針は改訂され，'発症 4.5時間時代'を迎えた.本稿では，'発症4.5時間時代'のrt-PA静注 療法の現状について述べるとともに，治療適応 の拡大，併用療法などの新しい試みについても概説する.