特集[橋梁保全の現状]-本格化する道路の老朽化対策を探る

摘要

高度成長期に集中的に整備された国内のインフラ構造物とりわけ橋長2メートル以上の橋梁は、約70万橋のストックが存在する。昨年4月に建議された国土交通省の社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会（部会長＝家田仁·東京大学政策研究大学院大学教授）の「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」では、「最後の警告－今すぐ本格的なメンテナンスに舵を切れ」という衝撃的なタイトルで、道路インフラの老朽化対策の現状と課題を明らかにし、目指す方向性を提言した。7月には5年に1度、近接目視による全数点検を道路管理者の義務を明確化する「道路法施行規則の一部を改正する省令」が施行、本格的な維持保全·老朽化対策の時代の幕開けを迎えた。橋梁保全の現状をその課題と今後の方向性を紹介する。