硬膜外麻酔·骨盤高位手術との闘連が疑われた低髄圧症候群に伴う硬膜下血腫の1症例

摘要

腹腔鏡下卵巣囊腫核出術の術後第3病日に低髄圧症候群に伴う硬膜下血腫が判明した症例を経験したので報告する。34歳，女性，身長170 cm,体重59 kg 左卵巣チョコレ一ト囊胞に対し，腹腔鏡下卵巣囊腫核出術が予定された。既往に気管支喘息があり，術前は投薬なしで無症状であった。術前検査では，血液凝固系を含め特に異常を認めなかった。麻酔前投薬は使用しなかった。硬膜外麻酔は右側臥位で抵抗消失法を用いて行い，T12-L1椎間正中からカテーテルを挿入し頭側5cmに留置した。