手術室における危機的偶発症と年間症例数との関係:「麻酔関連偶発症例調査2001」の解析結果より- (社)日本麻酔科学会安全委員会手術室安全対策専門部会報告-

摘要

「麻酔関連偶発症例調査2001」の資料をもとに,麻酔指導病院において心臓·大血管症例で発生している麻酔関連偶発症と年間症例数との関係について検討した。 偶発症発生率·死亡率は,年間症例数が多い施設のほうが少ない施設に比べて,低かった。 手術医療の質を保つには, 一定の年間症例数を遂行できる人的·物的資源が必要と考えられる。 病院あるいは外科医あたりの年間手術症例数と予後が相関することは,特に欧米において数多く報告されている。さらに,このような結果を踏まえて,周術期の安全性を向上させる取り組みが始められている。 そこで, 「麻酔関連偶発症例調査」の資料を利用して,本邦の麻酔指導病院における麻酔関連偶発症と年間症例数との関係について検討した。