高品位プレス成形品を生み出す寸法·形状測定＆分析·検査の基礎技術 第11回 材料試験（1）引張試験と材料特性値

摘要

高品位プレス製品を生み出す寸法·形状測定＆分析·検査の基礎技術として、本号以降、材料試験について解説する。ものづくりの根幹となる塑性加工において、中でもプレス加工の成否を握るのは、材料特性値であり、被加工材のそれを取得することが重要になる。近年、自動車産業における軽量化および燃費の向上を達成するために、高比強度材料である高強度鋼板への挑戦が活発であり、その解決手法として難加工性材料の温間·熱間プレス加工の研究·開発が注目され、活発に行われている。一方、加工機械では、サーボプレスの高付加価値技術として、スライドモーション効果による成形性向上のほか、多くの効果を生み出し、高精度·高効率、難成形性材料への適用を果たしている。このように、材料開発とともにハード面の加工機械のハイスペック化が求められており、その被加工材のさらなる成形性の向上·評価を行うためには、材料特性値を正確に把握する必要がある。そこで、代表的な材料試験方法である以下の項目を解説し、4回にわたって解説する。