有機トランジスタ駆動によるフレキシブル有機ELディスプレイ

摘要

薄型ディスプレイは液晶テレビや携帯電話を中 心に急速に発展し、40インチ以上の大型化と 300ppi以上の高精細化が実現されている。一時 的に薄型軽量、高密度化という要求は満たされた ものの、さらなる薄型化や軽量化への進化は常に 要求されている。その上、今までの薄型軽量の延 長ではなく新しいコンセプトのディスプレイの登 場も期待されている。なかでも紙のように薄く、 軽く、曲げられる、落としても割れないといった 特徴を有するフレキシブルディスプレイへの期待 は大きい。フレキシブルディスプレイのバックプ レーンとしてLTPS、酸化物半導体、有機半導体 の開発が各所で進められている。このうち有機ト ランジスタはフレキシブルの特徴を忠実に実現で きる可能性を秘めている。一方、製造プロセ スに関して、低コスト、大面積、グリーンイノベ ーションの観点から必要な部分にだけ材料を形成 する塗布技術が注目されている。塗布技術を用い た有機トランジスタをフレキシブル有機ELの駆動 回路として用いた報告例は少ない。当研究センタ ーでは塗布技術を積極的に取り入れ有機トランジ スタをバックプレーンに構成し、有機ELを駆動す るフレキシブル有機ELディスプレイの開発を進めている。ここではその開発内容の一部を紹介する。