高機能薄膜による分離技術の最近の動向

摘要

水ビジネスという言葉が目立ち始めている。世界では、人口増と生活レベル向上に伴って工業や農業の分野でより良質の水が求められ、その一方で、6年間で日本の国土に相当する面積が砂漠化して水不足が進む中、排水処理によって再生利用が進む方向にある。こうした上下水道、海水淡水化、排水リサイクルなどを含めた水ビジネスの世界市場は現在で40兆円近くあるとされ、15年後には倍増すると見込まれている。そのなかで海水淡水化用の逆浸透膜や、上下水ろ過用の限外ろ過膜や精密ろ過膜などを利用した“膜利用水処理技術”が注目されている。特に日本の膜製造技術は世界シェアの半分近くを占める高いレベルにあることから、水ビジネスは国策レベルでの推進が始まっている。