連 載金属粉末射出成形（MIM）の応用展開 No.2世界のMIMの動向

摘要

金属粉末射出成形（MIM）の技術が世界の金属部品産業に紹介されすでに半世紀を過ぎた。この間、全く新しい部品製造技術として従来の鍛造、鋳造、機械加工と比較して際立った特徴を有した技術として注目され着実に成長を遂げてきた。 MIM産業の発展は、技術が市場に紹介されてから現在までに三段階の明瞭な変換点があったといえる。第一段階は、熱気に満ちたMIMブームが1980年代前半に欧米と日本で興り、多くの分野の様々な企業が技術開発に名乗りを上げた。第二段階では、韓国やスペイン、シンガポール、ブラジルなどの中進工業国（当時）に波及した。そして第三段階では、2000年に入り中国やインドなどで爆発的に生産規模が拡大し、それに呼応していレコ、イラン、ロシアなどの国々でMIM部品の製造が始まり、その変換点ごとに飛躍的な拡大を遂げてきたといえる。