連 載多様な材料開発を支える試験·計測·解析評価技術-神奈川県立産業技術総合研究所 No．14 X線回折を用いた材料評価

摘要

X線は光と同じ波であり、水溜りに降り注ぐ雨粒や他に投げられた小石が作る波紋のようなものである（図1）。投げられた石が作る波紋が、他の「並hだ杭」と干渉していろいろな幾何学模様をなすのと同じように、X線は結晶の中の規則正しく「並hだ原子」によって干渉することで増幅されたり、または減衰されて結晶から出てくる（図2）。この原子による干渉で作られた波紋は原子の並び方の情報を持っていて、この波紋から結晶構造を評価するのがX線回折である。