軽量超伝導線材のための微細フラーレンナノウイスカー粉末の合成

摘要

フラーレンナノウイスカー（FNW）とは、フラーレン分子から構成される細い針状結晶であり、その直径は1，000nm未満で、アスペクト比（長さ／直径）が3以上のものと定義されている。FNWは液－液界面析出法（liquid－liquid interfacial precipitation method、LLIP法）によって合成することができる。これはフラーレンの良溶媒飽和溶液に、これと混和するフラーレンの貧溶媒を添加することによって形成される2液界面におけるフラーレン結晶核の形成と2液の拡散混合過程における過飽和状態の維持によってFNWを成長させる方法である。溶媒を選択すれば、平板状のフラーレンナノシートをLLIP法により合成することもできる。