燃料電池自動車への搭載を手始めに家庭用などで実用化へ

摘要

トヨタ自動車が，当初の計画を1年前倒して今年末から燃料電池車を投入する。 初年度の販売台数は，非常に少ないものの「記念碑的」な世界初の発売となることは確実である。 トヨタの新技術にかける執念を感じる決定であるといえる。 それだけ燃料電池が，環境調和型エネルギーの最有力候補として，世界中で注目されている。 中小型の数百ワット規模の分散電源から自動車エンジン，さらには超小型のモバイル電源まで開発が急進展している。 しかも，膜技術や触媒などの先端技術に，最新のナノテクノロジーヤクリーン燃料製造技術などの“多様な未来技術”が今後，動員されようとしていることも大きな特徴である。遠くの出来事だった燃料電池を身近に感じさせたのは，昨年秋から今春にかけてのパソコンや携帯電話などモバイル向けの相次ぐ開発発表も大きかった。 最近の成果と，意外に近い実用化の動きは今後，電池産業のみならず，自動車，さらにはエネルギー産業への直接的なインパクトをもたらしそうだ。