エチレン生産，18年ぶりの低水準

摘要

2012年上期（1～6月）のエチレン生産が18年ぶりに300万トンを割った。エチレンの慢性的な余剰能力，プロピレン生産比率の上昇といった石化産業の需給構造問題に加えて，円高，中国市場の低迷など輸出環境の悪化や，ポリエチレンなどの需要減少などの外部要因が重なったことによる。「5月，6月が最悪期」（小林喜光石油化学工業協会会長）と業界では年後半からの回復に期待しているが，中長期的には約200万トンといわれるエチレンの余剰分の設備を廃棄しなければ日本の石化産業の生き残りは難しい。