新しい産業社会を開く化学の役割

摘要

20世紀は，技術の具体化が消費生活の高度化を目に見える形で具体化した世紀であったといえる。 そこでの技術は電気，機械，エネルギーなどの高度化とともに化学技術が大きな役割を演じたといえよう。 例えば，鉄鋼やその応用分野としての特殊鋼や合金分野の拡大，石油化学やそこから発展した高分子化学の広い裾野を持つ繊維ヤプラスチック分野の発展，生理活性に対応する不斉合成技術の確立に代表される多様なファインケミストリーの発展，新しい窯業分野としてのファインセラミック分野の拡大，生命現象の基本である生体構成分子たhぱく質研究のフロンティアとしての遺伝子研究の進展など，多くの分野で新しい化学反応の開発や化学物質の特性研究からの応用が新産業を育成したり既存産業を再活性化したりする大きな力となった。